『侍女の物語』の舞台であるギレアデ共和国は、近未来の米国で、クーデターにより誕生した家父長制的な全体主義国家だ。かつて主人公は夫と娘と暮らし、仕事もしていた。自分の体は「わたし自身のもの」であり、喜びや自己実現の手段だった。
キリスト教の救済観は西方(カトリック教会、プロテスタント教会)と東方(正教会)とでは大きく異なる。西方教会では神が人間になったという受肉を強調する。神は完全無欠で罪を持たない。しかし神は神であり続けることに満足せず、罪を持つので滅びる運命にある人間を ...
考えることについて考える哲学書だ。一般に考えるとは、頭の中で繰り広げられる情報処理のようにイメージされがちだ。さながら、コンピューターのプログラムみたいに。しかし、著者はそういった理解を一蹴し、「思考は視覚や聴覚、触覚、味覚と同じように血の通った生き ...